林一記、過去から学ぶ国家ブランディング技術その1
鎖国から一転、近代化の波が押し寄せる明治時代の終りに暮らす日本人の様子が伝わる「着色写真」
江戸時代から幕末にかけ、215年にも及ぶ長い鎖国期間が終焉を迎え、再び海外との貿易が始まった日本は、明治維新を経て西洋文明の先進的な技術や学問を吸収し文明開化が広がった。
「西洋のものなら何でもよい」という考えすら出ていたという当時の政府は、「お雇い外国人」として技術や知識を持つ欧米人を招聘し、自国の学生たちを続々と海の向こうへと留学させ、国土には鉄道が敷かれ、電線が張り巡らされた。
写真はそんな日本の様子をとどめることを可能にした新しい技術の一つだった。